Drummer ATSUSHI MIKI
Atsuhi Miki a.k.a 難病BEAT声蔵
“ミュージシャンとしての活動もしていますが、
難病BEAT声蔵でやりたいことはアートに近いんです。”
Date 2011・11
ー それじゃあ、始めさせて頂きますね。
宜しくお願いします。
ー 幼い頃の話や、育った環境などを教えてください。
生まれたのは神奈川県横浜市ですが、幼い頃住んでいたのは南品川でした。
お祭りが盛んな地域、「神輿」や「太鼓」を聴いて育ちました。
おばあちゃんの性格も根っからの下町の血筋で。
喧嘩と火事は江戸の華って感じで、お祭りとか大好きなおばあちゃんでした。
粋な性格で近所でも評判の面倒見のいいおばあちゃんでした。
ー プロフィールでも幼い頃、そういう下町の環境にあったとありますね。
そうですね。そこから『太鼓人生』が始まったと言っても過言じゃないです。
10歳上の兄がいまして、兄は自分が6歳になる頃には既にプロ和太鼓奏者として活動していました。
和太鼓を自分もやりたい。という気持ちが段々と強くなってきて、6歳より弟子入りしました。
ー 6歳までは全く興味はなかった?
自分にとってはこれだ!という確信はなかったですが、打楽器には異様に興味を示していたと思います。
リズムの躍動感だったり、わくわくする感じが大好きで。自分が表現できている気がしていました。
毎年夏に、佐渡島にてアースセレブレーションという世界中の素晴らしいアーティストを集めて運営している、
イベントがあるんです。フェスティバルですね。
それを見に毎年家族で行きまして、でもそこでコンサートが始まると一番前で最初から最後まで寝てるっていう(笑)でもその時聴いていた「音」は忘れないです。身体に染み付いているというか。
よくアーティストのものまねもしてました。
ー それで中学生になってドラムを始めたと?
そうですね。13歳の時、兄のライブが六本木であって見に行きました。
そこで初めてドラムというものを聴いて。衝撃が走りましたね。若林竜丞さんというドラマーだったんですが、
「・・・ドラムで唄ってる」って。なんだこれは!ってなりました。それまでのイメージは長髪で上半身裸で、
ぶち壊す!みたいなイメージがドラマーにあって、・・・
そういうドラマーを批判しているわけじゃないんですけど(笑)
全然違う大人の格好いい音楽をやっているなぁと思いました。
そして、その次の日にドラム教室・無料体験のチラシがポストに入ってたんです。運命を感じました。
ー それまたすごいタイミングですよね・・。
そうなんです、びっくりで速攻レッスンを受け始めました。
それと同時期に仲間とバンドを組もう!という話になってバンドも始めました。
小学校の卒業文集には「将来の夢」の欄に「プロ和太鼓奏者になる!」と書いていましたが、
中学の卒業文集では「プロドラマーになる!」と変わっていました(笑)。今ではすごい笑い話になってます。
ドラマーの若林竜丞さんとは次の年(14歳)に自分がプロデビューしたコンサートで初共演させて頂きました。
今でも鮮明にその時のことを覚えています。ドラムを始めるきっかけを頂いた皆さまに本当に感謝しています。
そういう気持ちを忘れずに演奏活動をしていきたいです。
-和太鼓を現在でも演奏されることもあるんですか?
はい、あります。同じコンサートの中でドラム・和太鼓・パーカッションを3役で、演奏することもあります。
和太鼓奏者として、パーカッショニストとして(ドラム演奏なし)のお仕事も頂いています。
-様々なジャンルの方と共演・コラボレーションなさっていると思うんですが、
一番面白いなぁ、可能性を感じた瞬間とかありますか?
たくさんありますねぇ。でも、異ジャンルの人とやることだけが意味のあることじゃなく、
どの人とやっても音楽や表現で会話ができてお客さんにも何かが伝わったら嬉しいですし、
そういう一体感を作れたときのライブやコンサートは人やジャンル関係なしで幸せです。
やっぱりそういう時のライブは自分自身の記憶にも刻まれてます。
-難病BEAT声蔵という名前で活動していることがありますが、どういう意味でつけたんですか?
これには色々と意味があるんですけど、分かりやすく言うと別名義です。
特にアートをする際の別名義です。
クラブシーンやストリートミュージック等をやる時もNBSで活動することが多いです。
自分の芯の部分というか。
声を出して、歌詞で伝えられるボーカルとかラップとかと違って ドラムはバッキングとして捉えられてる。
でも声の蔵と書いて、声で伝える楽器じゃないけど、同じなんだよっていう表現をしたくて。
それで声の蔵とつけました。病むくらいのBEATを製造してるって意味ももちろんあります。
「生の声」「生きている音」を届けたいと思うようになりました。
ある時、知り合いに言われたことがあるんです。「難病BEAT声蔵」ってあーくんの代弁者なんだよね。って。
すごい射抜かれた感じで、「確かにそうかもなぁ、当たってるなぁ。」と思いましたね。
-クラブ等でプレイする時は何か「特別な気持ち」になったりしますか?
やっぱり普段BAND演奏だったり、歌の伴奏とは全然違うアプローチになりますね。
気持ちを作ってくところから這い上がるイメージというか。
僕自身の感覚としてボクシングに近いものがあります。
演奏している楽器はドラムで同じなんだけど、ゼロから新鮮な気持ちで「盛り上げて」いくことを考えてます。
会場もですけど、自分自身の気持ちも盛り上げていきます。
作り上げていくっていうプロセスがすごい好きで。自由じゃないですか?感覚とか、想像とかって。
それと他の現場で求められてること以上のことが・・・
「新しい解釈」がそういう空間では求められている気がします。
ドラムをきちんとプレイする。とか、そういうことを越えたものですね。
クラブなどでの演奏は音響の設備や環境もあまり良くなかったりすることが多いですし、
ちゃんとモニタリングできなかったり
リスキーな部分の要素が多かったりもします。
そこでの「じゃあ、何ができる?」って問われている時があります。
いい意味で、緊張感とリラックスを使い分けて、理想郷的なものだったり、
抽象的なことにも勝負したりしてます。
やっぱりそういうことを「NBS」ではやっていきたいですね。
-少なからず僕の個人的な感想では、御木さんが言ってる部分がバシバシ伝わって来ますよ。
楽しそうに、無我夢中でやってる姿とか、「持ってかれる」感覚とか、わくわくしてきます。
魅せるドラミングですよね。観客を魅了するっていうか、音とか姿でそれが伝わってきます。
ありがとうございます。ライブ後とか色々な人とお話しをする機会がありますが、
そういう意見などを聞けるのはとても嬉しいです。
コミュニケーションや会話は僕にとってとても大事にしているものなんです。
-今後、こういう活動がしたいとかありますか?
う~ん、そうですね、まずアルバムを出したいです。
その為にライブをやりつつ練っていますし、楽曲製作にも来年は時間を取りたいと思っています。
ミュージシャンとしての活動もしていますが、難病BEAT声蔵でやりたいことはアートに近いんです。
色々な表現があっていいと思うし、自分なりの感覚や感じていること、
感じてきたことを音にぶつけて表現していきたいです。
-先程、ストリートミュージックという言葉が出てきましたけど、そういう意識でやっている?
意識というか、 これは精神論になったりすると思うんですが、
自分なりの音を出すときに「外しては通れない部分」というか
自然と求めている感覚かもしれないです。「地に還る」的な。
ヒップホップもストリートから始まったカルチャーですけど、
世界中の民族音楽などもスピリチュアルな部分や、
思想、宗教、人々の生活、生き方・・・色々関わっている音楽です。
ぼくはブラジル音楽もストリートだと思います。
自分にとったら盆踊り・盆太鼓や和太鼓の演奏が根っこにあるものです。
人それぞれ、育った環境から大きく影響を受けるものだと思います。
そういうバックボーンが見えてくるような音楽を自分のプロジェクトではやりたいです。
日本人にしか出せないリズム感・ビート感とか。
それをアートと捉えるかどうかは人によって違うと思いますが。
自分なりの生活観やストリート感は何らかの形では出していきたいです。
-影響を受けた人物はいますか?
ドラマーはたくさんいます。(笑)スティーブ・ガッドやハーヴィー・メイソンは大好きです。
エルヴィン・ジョーンズ、ジャック・ディジョネット・・・
トニーウィリアムス、アイアート・モレイラ、ドン・アライアス・・・
村上“ポンタ”秀一、東原力哉、それから岡本太郎や棟方志功、黒澤明、DEVLARGE、DJKRUSH、 TOMMYGUERREROなども影響を受けました。ボクシングの畑山さんとか、辰吉丈一郎、スクール☆ウォーズの長浜高校の山口監督とか。雀鬼と呼ばれた桜井章一さん、何か共通点があるとすると、ジャンルが違くても、その人の人間性が見えてくるというか、結局は『人』なんだと思うんです。
-最後にこれを見ている人やファンの皆様にメッセージをお願いします。
最後まで読んでいただきまして本当にありがとうございます。
色々な現場を通じて、「御木惇史」と「難病BEAT声蔵」の違いや、
自分の持っている色々な一面を音楽を通して伝えていけたらいいなあと、
それで最高に楽しんで頂けたら本当に嬉しいです。
いつも一緒に音楽させて頂いているメンバーも本当に素敵な人達でばかりです。是非、遊びに来て下さい!
これからも 応援のほど、宜しくお願いします。
-今日はありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
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